県庁で創業・起業支援の担当をさせていただき、大きな刺激を受けました。
何より、県の会議で、メガネ業界で有名なJINS(ジンズ)の田中社長がおっしゃられた「自分らしく生きている人が非常に少ない」「思い切ったチャレンジができる世の中に」といった言葉が、とても心に響きました。
田中社長は、起業家支援として「群馬イノベーションスクール(通称:GIS)」というビジネススクールを主催していました。
GISの修了生の方にも県の講演会で講演していただく機会も多く、話を聞いている中で「自分も受講したい」と思うようになりました。
GISを受講するためには、履歴書や応募理由書による書類選考、そして、面接がありました。
今までも、「いつか「群馬の地酒(日本酒)」を紹介できるような場を持ちたいな」「「群馬の地酒」の力になって、蔵元の皆さんと同じ目線で取り組んでいきたいな」といった漠然とした想いはあったのですが、具体的に動き出したのは、ここからです。
選考を通過して、GIS5期生として受講させていただきました。
具体的に文章に落とし込みながら、何か良いビジネスプランが生まれることを期待しました。
講師である早稲田大学の長谷川先生による御指導や、他の受講生の取組に刺激を受けて、「群馬の地酒」が爆発的に飲まれ、愛されるようになるようなアイデアを模索しました。
社会や顧客が、現在、不自由に思っていることや不満があること「カスタマーペイン」を解決するビジネスモデル。
なかなか良いアイデアが出ず、体調を崩しそうになりながらも、必死に「カスタマーペイン」「カスタマーペイン」と頭の中で念仏のように唱えながら、悩みに悩みました。
他の受講生から「考えすぎじゃない?もっと自分のやりたいことを考えた方が良いよ」というアドバイスもいただきましたが、私がやりたいことが「「群馬の地酒」全体の消費増と価値の向上」なので、この機会を活かして、良いアイデアが生まれたらと思い、頭を悩ませました。
その年の起業家発掘プロジェクト「群馬イノベーションアワード(GIA)2018」(上毛新聞社主催、田中仁財団共催)にエントリーしました。
「群馬の地酒」をテーマにしたプラン「もっと知って、飲んで、愛して「群馬の地酒」~地域の誇り~」で、1次審査を通過して上毛新聞に掲載されました。
GISを受講していることも、GIAにエントリーしたことも、あまり話していなかったので、県庁の所属長や先輩方、知り合い、そして、仕事関係の皆さんにビックリされました。
2次審査では、ジンズの田中社長や、コシダカホールディングスの腰高社長、オープンハウスの荒井社長、相模屋食料の鳥越社長らの前で、プレゼンテーションをさせていただいたのですが、ファイナルステージ進出はなりませんでした。
人を頼って、蔵を訪問してアドバイスを求めたり、友人から紹介してもらった人に会ったり、参考になりそうな場所に行ってみたり。
結果的に、画期的なビジネスモデルを生み出せたわけではありませんが、この過程で出会わせていただいた方々からのアドバイスや人のつながりは、今の自分にとって、ものすごく財産になっています。
ジンズの田中社長からも、いろいろ教えていただいて、意識レベルを引き上げていただきました。
GIAの中国・上海研修ツアーにもGIS生として参加させていただき、ITが浸透した社会も学びました。
そして、「本当に自分がやりたいことは何か」という問いに対しても、自分ながらの答え、活動の源泉となる根幹が分かってきました。
いろいろなアイデアや話が出る中で、譲れない、変わらないもの。
それは「群馬の地酒」の蔵元、造り手の皆さんの想いを、もっと多くの方に知っていただきたいということです。
私は、県庁で酒造担当させていただいた御縁で、「群馬の地酒」そして、蔵元の皆さんの魅力を知ることができました。
この魅力を多くの方に知っていただき、「群馬の地酒」の消費増、価値向上に役立ちたいと思って、今も日々、動いています。
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