群馬県庁で、酒造業「群馬の地酒(日本酒)」の振興担当となって2年目。
既存事業以外にも、何か良い事業ができないか、県として何かできることはないか、といろいろ考えました。
当時、JR東日本などの全国的な観光キャンペーン「群馬ディスティネーションキャンペーン」などの影響もあった気がします。
事業案を持って、群馬県酒造組合の若手組織「稲水(とうすい)倶楽部」の会議に出席して、事業提案をさせていただきました。
その中で「やってみよう」となったのが、群馬県の一大観光スポット「草津温泉」での試飲イベントでした。
県庁の仲間のつてを頼って、草津町や観光、旅館、酒販などの業界関係者にアポイント取り。
当時の稲水倶楽部、会長の山川酒造(千代田町:利根川育ち・光東)の山川さん、副会長の島岡酒造(太田市:群馬泉・淡緑)の島岡さんと、群馬県酒造組合で合流して、草津町へ。
途中で、地元の浅間酒造(長野原町:秘幻・浅間山)の櫻井さんとも合流して、まずは草津町役場へ。
実施依頼をしたところ、なんと、草津温泉の中心スポット「湯畑」の目の前、「白旗の湯」前でイベントをさせていただけることになりました!
草津町役場さんの配慮、そして、仲間の力、「群馬県庁」の名前の力を感じました。
その後、観光協会さんや旅館組合さん、飲食店組合さん、小売酒販組合さんにもお話に伺いました。
会場では試飲だけで、気に入ったら温泉街の酒販店さんや飲食店さんで買って飲んでもらう仕組みとし、取扱店情報を掲載したチラシを作成しました。
イベント当日は、電車とバスを乗り継いで現地入りし、みんなで一緒にテントを設営。
草津温泉にいらっしゃった観光客の皆さんの前で「群馬の地酒が試飲できますよー!」とチラシを配りながら呼び込みを行いました。
群馬県内でのイベントでしたが、観光地ということで都心からのお客様が多かったです。
「草津温泉」という一大観光地に旅行に来ている高揚感も手伝ってか、非常に好評でした。
後で聞いた話ですが、山川さんが「とても良いイベントだった」と言ってくださっていたそうです。
一般的な試飲イベントでは、非常に日本酒に詳しいファンに飲んでいただくことが多く、造り方や味わいなど、難しい顔をして御指導いただくことも多かったようなのです。
しかし、草津のイベントは、皆さん、笑顔で「美味しい、美味しい」と言っていただけたと。
お酒を注いでいても、お客様に喜んでいただけて、楽しかったということでした。
ちなみに、私の個人的な思い出は、「お燗との出合い」です。
イベントも終盤となり、声も枯れて、寒くなってきた中で、参加蔵の中でお燗を用意していた2蔵、山川さんと島岡さんのお燗を少しいただきました。
その時の状況、雰囲気も手伝ってか、とっても、美味しく感じました!
この時に初めて「お燗が美味しい!」と感じました。
カラダが温まり、喉もうるおって、また湯畑前まで出て行って呼び込みを行いました。
これ以降、冬場、仕事を終えて家に帰った時は、マグカップと電子レンジで、お燗を楽しむようになりました。
このイベントは、その後も群馬県酒造組合の稲水倶楽部の事業として、毎年継続されています。
最近では、10月1日「日本酒の日」に合わせたイベントになっています。(2020年はコロナ禍で中止でした)
私としても思い出深いイベントで、その後も何度か顔出ししています。
仲間の車に乗せて行ってもらって、帰りは高井(藤岡市:巌)の高井さんの車で、前橋まで送り返していただいたこともありました。
個人的な夢は、いつか「群馬の地酒」のイベントで、人を群馬に呼び込むことです。
大勢の群馬の地酒ファンを集めて、みんなで乾杯したいです!
コメント
この頃は、我々組合青年部も若い蔵元がたくさん稲水会に加入してきてとても勢いがあった気がします。
そこに、熱量の多い、県の若い職員が現れ 煽られながらあちらこちら出向いて行きました。
何でも出来そうなそんな時期でしたね。
草津のイベントは、今でも一番楽しいイベントです。
昨年は全てのイベントが中止という異常事態でした。今年は通常に戻る事を期待したいですね。^0^/