県庁職員は異動が付きもの。
4年を超える長い人もいるし、2年でコンスタントに異動する人もいます。
いずれにしても、ずっと同じ部署にいることはできません。
今、振り返ると、工業振興課で酒造振興の担当をさせていただいたのは、東日本大震災の特別対策室を挟んで、2年4ヵ月あまり。
自分の中で、大きなインパクトがありました。
蔵元の皆さんは、それぞれに家業を継いで、人生をかけて酒造業に邁進されていて、人柄も含め、とても魅力を感じていました。
私は、県という守られている立場ながら、できる限り同じ目線、同じ立場で、一緒の方向を向いて、共に歩ませていただきたい、一生、付き合っていきたいと、勝手に思っていました。
その後、約10年にわたって、蔵元の皆さまとは、僅かながら、様々な場面で、個人やグループで、お付き合いさせていただきました。
工業振興課を異動した後も、県に関わる照会の連絡を個別にいただいて調べてつないだり、県内企業の1社として設備投資の補助金の申請書支援をさせていただいたり。
プライベートでも、異動先の職場の有志での旅行として酒蔵見学ツアーを企画して蔵元の皆さまに御対応いただいたり、1個人として酒造イベントに参加したり、休日に蔵を訪問するなど。
当時の醸衆会(じょうしゅうかい)の会長、浅間酒造(長野原町:秘幻・浅間山)の櫻井さんにも、同世代ながら面倒を見ていただき、気遣って何度か集まりに声がけいただきました。
醸衆会は、蔵元だけでなく、酒蔵で働く蔵人の皆さんもメンバーとなり、醸造技術の研鑽を図っている酒造組合とは独立した組織です。
群馬県内の蔵の関係性の良さを象徴しているような感じもします。
初代会長が櫻井さん(現在は、土田酒造(川場村:土田・誉国光)の土田さん)で、工業振興課の酒造担当時にも、少しでも会の運営が安定するようにとの相談をいただき、微力ながら御支援させていただきました。
お誘いがあれば、喜んで、馳せ参じ、蔵元・蔵人の皆さんの集まりに混ざって、参加させていただきました。
特に大きかったのが、榛名湖温泉ゆうすげ元湯での春のイベントです。
それまで、ゆうすげ元湯では、浅間酒造さん単独でのイベントを行っていたようなのですが、櫻井さんの考えで、県内の他の蔵元も集めた会に発展されました。
その第1回の時に、櫻井さんから「蔵元の皆さんに紛れて参加しませんか?来ちゃえば良いですよ」と、私も呼んでいただきました。
誘う櫻井さんも櫻井さんですが、その誘いに乗って行く私も私ですね(笑)
当日は仕事で、太田でのイベント業務だったのですが、終了後すぐに高速を使って榛名湖に向かいました。
どういう立場で参加しているのか自分でも分からない中、1人参加のように宴会場の席を設けていただき、御参加の皆さまとも交流して、二次会では、聖徳銘醸(甘楽町:鳳凰聖徳・妙義山)の西岡さんの歌声に酔いしれ、蔵元の皆さんの部屋で泊まらせていただきました。
それ以後は、毎年、仲間と一般参加して、年に一度、蔵元の皆さまと顔を合わせられる機会として、楽しませていただいております。
そういう意味では、「榛名湖温泉ゆうすげ元湯」は、群馬の地酒の聖地ではないかと勝手に思っています。
このように、県庁で酒造担当から異動して以降も、関係者のような、関係者ではないような感じで、蔵元の皆さんとつながらせていただいておりました。
コメント
私もあの会は聖地だなって思ってます✨
またゆうすげで飲んだくれたいですね